【家計破綻の落とし穴】独立系FPが教える住宅予算の危険な決め方


マイホーム購入は人生最大の買い物と言われますが、その予算設定の誤りが将来の家計を苦しめるケースが非常に多いのをご存知ですか?大阪を中心に活動する独立系ファイナンシャルプランナー(FP)として、多くの相談者が陥りやすい「家計破綻の落とし穴」について解説します。

差し押さえられたマイホーム

落とし穴①  「借りられる額」=「買える額」だとの思い込み

「銀行が貸してくれるなら、その金額まで借りても大丈夫」と考える方は少なくありません。しかし、これは家計破綻への第一歩です。銀行の審査基準は「年収に対して返済が滞らない金額」を判断するだけで、あなたの生活の質や教育費などは考慮されていません。不動産会社も、商売をしている以上、少しでも高い物件を買ってほしいので、高額な物件をおすすめしがちです。

特に年収の6~8倍もの住宅ローンを組むと、返済負担が重くなり老後資金の積立が不可能になることも。そして、ファイナンシャルプランナーとして強調したいのは、税・社会保険料の負担が重い昨今では、額面年収ではなく手取り収入で計算することの重要性です。

落とし穴② 「家賃と同じ返済額」の思い込み

「今の家賃が10万円だから、ローンも月10万円なら問題ない」という考え方も危険です。持ち家には賃貸にはない固定資産税や修繕費などのランニングコストが発生します。これらを含めると、実質的な住居費は月3~4万円跳ね上がることも珍しくありません。

大阪のような都市部では特に固定資産税が高くなる傾向があり、この見落としが家計を圧迫する大きな要因となります。私たちのような独立系FP事務所でのライフプラン相談では、こうした「隠れコスト」を含めた総合的な資金計画をご提案しています。

落とし穴③ ペアローンとボーナス払いへの過信

共働き夫婦が陥りがちなのが「ペアローン」での無理な借入です。二人とも定年まで健康で、現在の収入を維持し続けるという前提は非常に危うく、産休・育休や転職などのライフイベントで一気に返済が困難になります。そして「日本では3組に1組は離婚している」と言われており、離婚のリスクも見逃せません。

また、返済額を見かけ上小さくするためにボーナス払いを多めに設定することも危険です。景気悪化でボーナスがカットされたり、年俸制の会社に転職したりすると、生活費を削る事態に陥ります。

落とし穴④ 変動金利と将来収入の甘い見通し

「今の低金利が続く」という前提での予算設定や、「将来は昇給するから大丈夫」という希望的観測も危険です。金利が1%上がるだけで総返済額は数百万円変わります。また、日本企業の年功序列による昇給は無くなる傾向にあり、社会保険料の負担増で手取りが増えないケースも多いのが現実です。

対策:安心できる住宅予算の立て方

独立系ファイナンシャルプランナーが提案する安全な予算設定の方法は以下の通りです:

  1. ライフプラン表の作成:教育費や老後資金など将来の支出を先に把握
  2. 住居費の適正額を逆算:生活レベルを落とさずに返済できる金額を算出
  3. ランニングコストの考慮:固定資産税や修繕費の金額を考慮したうえで、ローン返済に無理がないか検証

大阪を拠点とする当FP事務所では、銀行や不動産会社とは独立した立場で、お客様の将来を見据えた資産運用と住宅購入の相談をお受けしています。住宅購入は人生の夢を実現する素晴らしい選択ですが、その夢が悪夢に変わらないよう、専門家の客観的なアドバイスを受けることをお勧めします。お気軽にご相談ください。

参考

東洋経済オンライン「いま日本で一番アツい街「大阪」で《地価の高い住宅地》トップ502地点【2025年版】3位は南森町、2位は四天王寺前夕陽ヶ丘、では1位は?」https://toyokeizai.net/articles/-/870669

当社Webサイト「FPの豆知識」の下記のコラムも参考になります。↓
【実感インフレ】カレーライス物価指数から見る本当の物価上昇率と家計防衛策
https://light-of-life.jp/2025/06/10/curry_rice_price_index_1/

FIREムーブメントとは?歴史と意義から理解する早期リタイアへの道
https://light-of-life.jp/2025/06/09/fire_movement_1/

ファイナンシャルプランナー(FP)への相談については、以下のコラムも参考にしてください。
【大阪・FP事務所】ファイナンシャルプランナーへ相談する際に役立つコラム一覧

この記事を書いた人

桐山 昌也
株式会社ライトオブライフ 代表取締役 ファイナンシャルプランナー(FP)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)・MBA(経営学修士)
京大卒、銀行・メーカー勤務を経て、現在大阪を中心に独立系ファイナンシャルプランナーとして活動。
「出張型FP」・「最適なアドバイスのできる独立系FP」・「サポートの頼れる実務的FP」・「保険・投資販売しないFP」を特徴としている。

ライフプラン相談・家計改善・資産運用相談は「ライトオブライフのFP」へ  https://light-of-life.jp/


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